<批判覚悟で敢えて問う・一人の女性の悲しみは悲劇に、無数の女性の悲しみは大河ドラマになる違和感>
あまり神経質になると時代劇(時代ドラマ)、楽しむことができなくなる。
中居正広氏の女性トラブル、これまた深刻に考えることいかがでしょうか、よくある恋愛トラブルの単なる一例。女性も気の毒だが、中居正広氏もお気の毒です。
<批判覚悟で敢えて問う・一人の女性の悲しみは悲劇に、無数の女性の悲しみは大河ドラマになる違和感>
元タレント・中居正広氏の女性トラブルに端を発したフジテレビの混乱は、収まりそうもない。トラブルに遭われた女性に対して、心からお見舞い申し上げ、一日も早くご心痛が和らぎますようお祈り申し上げます。
さて、一人の女性の悲劇の報せと同時期に、NHKでは大河ドラマ『べらぼう』が始まり、話題を集めている。
舞台は、江戸・吉原である。このドラマは、決して吉原文化を称揚するために作られたわけではないであろうことは容易に想像できる。ただ、ここがかつて遊女たちの悲惨、あるいは、様々な運命の場所であった事実は、ドラマではなかなか描けない。
吉原遊郭には、自ら望んでこの世界に入ったわけではない人が多いのではないか。そして、女性たちの多くは、性感染症にかかって若くして亡くなっていったのである。
「投込寺」として知られる南千住浄閑寺の過去帳等の情報から推測すれば、遊女の死亡時年齢は22歳前後であったとされる。中居氏をめぐる一人の女性の被害の背後で、こうした名もなき無数の遊女たちの存在を忘れてはならないだろう。・・2025年2月22日・井原 裕( 獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科教授・虎の門山下メンタルクリニック)・https://wedge.ismedia.jp/articles/-/36745