<簡単ではない「被災集落の集約化」 都会の人には理解できない感覚>
「被災集落の集約化」が簡単でないことは都会の人もわかっている。
しかし,税金を投入しての復興を成し遂げるためには,地元の人が考えを変えるしかない。
政府、そして地元自治体、まさに正念場。
<簡単ではない「被災集落の集約化」 都会の人には理解できない感覚>
能登半島地震に遭った多くの被災者が、長期間の避難生活を強いられている。そのなかで、地域コミュニティーをどう維持していけばいいのか。地元の状況を知る金沢大学大学院人間社会環境研究科の森山治教授(社会福祉学)に聞いた。
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石川県の能登半島は、山地と丘陵が多く平野が少ない地域です。住居が建てられる地域は点在しており、小さい地区単位でコミュニティーが形成されています。集落内での人と人とのつながりが濃い一方、隣接する集落同士は漁業などの産業面でライバルになるので、必ずしも良好な関係とは限りません。また自治体は、輪島市のように町村合併で形成された歴史があります。同じ市民でも、それぞれ立場が異なるのです。
被災地の再建策として、集落を集約する方が合理的だという意見がありますが、そう簡単ではありません。集落によって、被災状況も人口規模も違います。地域の成り立ちや住民感情に考慮しないと、乱暴な議論になってしまう。都会の人にはなかなか理解できない感覚ではないでしょうか。
従来のコミュニティーを維持するためには、震災前と同じ場所に住居を再建するという発想になりがちですが、それもまた難しい。避難している人がみんな戻ってくるとは限らないからです。3月27日
https://www.asahi.com/articles/ASS3T4R2RS3TUPQJ006M.html